事実上の痴女と汁男優 〈画像はイメージです〉
コラムってのは本来は「柱」の意味ですし、転じて新聞雑誌などで一定の枠で囲われた、編集部とは離れた執筆者による視点や見解を述べる、短い読み物を指します。 別に論文じゃないんです。 もっとお手軽に、短いもので良かったんです! 毎回毎回、1万文字クラスの長ったらしい文章を書く必要は無かったのです!
と言いつつ、今回のテーマは重くて長い、コミケのローアングラー問題です。 前回は20年前の話でしたが、一気に現在進行形のお話をします。 カイブ読者の皆さんの中にも、これで嫌な思いをした人、おられるでしょうか。
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ローアングラー。 最初に聞いた時には、ウルトラマンレオを苦しめた円盤生物ハングラーのようなものを想像してしまい、思わず本放送の1974〜75年(昭和49〜50年)へと、想いを馳せてしまいました。 第四次中東戦争に端を発したオイルショックで石油製材を中心に物価が暴騰してしまい、お金のかかる着ぐるみ怪獣を廃し、操演怪獣で低予算化を図った苦肉の策が放送後半の「恐怖の円盤生物」シリーズだった訳ですが、結果的にはこれが第二期ウルトラシリーズ自体の最終章となってしまいました。 「沈む夕陽が私なら、明日の朝陽はウルトラマンレオ、お前だ!」 レオ第一話で、重傷を負ったウルトラセブンことモロボシダンが語った台詞ですが、実はウルトラシリーズこそまさに「沈む夕陽」だったのです。 映画でも75年春の「メカゴジラの逆襲」を最後にゴジラ映画が一旦休止され、あらゆるメディアから怪獣や巨大ヒーローは姿を消していきます。 一つのジャンルの落日と、新たなジャンルの日の出は交差します。 レオ、ひいてはウルトラシリーズが一旦終了した1975年春、特撮の世界では仮面ライダーの流れを汲んで複数の仮面ヒーローが活躍する「秘密戦隊ゴレンジャー」や、アニメの世界では東映動画のマジンガーZに対抗してロボットに参入した創映社(後のサンライズ)の「勇者ライディーン」がヒットしました。 1975年、怪獣の時代は終わりを告げ、完全に等身大ヒーローとロボットアニメ時代に移っていくのです。 …という無駄話をやり過ぎるとマチナカ系の回みたいに「1P目がいらない」と言われてしまうので、打ち切ります!
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ローアングラー!(2回目) 低い位置から女性のスカート内を撮影しようとする、不埒な輩の事です。その多くは無断撮影であり、いわば盗撮です。 本来のローアングル撮影は技法の一つであり、被写体の脚長効果や迫力を出すのが目的ですが、それをスカート内部を撮るために悪用するのです。 胸の谷間や脇なんかへ接写するパターンもありますが、こちらはローなアングルではないものの、本稿ではローアングラーに類するものとして捉えます。 いわゆるエロカメラマンの総称かつ蔑称として広まった言葉です。
以前からくすぶっていた問題ではあるものの、昨年の夏コミで一気に沸騰して、冬コミではまた改善の傾向を示しました。振り返ってみるには、良い時期だと思います。 どうしてそんな犯罪行為が増えてしまったのか?対策はどうあるべきであったのか? なるべく煽りは抜いて、順を追って、何が起こっていたのかを、割と長くコミケ参加してる一人として、調べて分かる限りで書いてみようと思います。
元々コミケのコスプレ広場での盗撮行為は少数ながら毎回のように報告されるものであり、以前は発見される度、スタッフが取っ捕まえて、フィルムを没収したりデータを消去させてきました。 しかし近年のローアングラー問題を語る際には、ブレーキが外れ、それが増加した土壌から考えるべきだと思います。 繋ぎ合わせてみると、コミックマーケット内でのコスプレに対する扱いの変化が、浮かび上がってきます。
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