シン・ゴジラ(http://www.shin-godzilla.jp/)
今年1月に公開がスタ―トし、作品としての人気だけでなく、独特な熱気に包まれる”プリズムスタァ応援上映会”が話題となった「KING OF PRISM by PrettyRhythm(キンプリ)」を筆頭に、映画館で発声やサイリウムでの応援・コスプレが可能な”応援上映会”が各地で人気となっている。
”応援上映会”とは、通常の上映とは別枠のイベント上映会。普段はおしゃべり厳禁な映画館内で、ファンが自由に声を出したりアフレコをしたりと、さながらライブ会場のように一体となりみんなで盛り上がることができる。パソコンやスマホからコンテンツを見て気軽に感想を書き込めるネット社会の時代だからこそ、「同じ作品を好きな人間が集まり何かする」という行為が特別な意味を持っているのかもしれない。次々と広がる応援上映の輪は地方の映画館にも広がり、映画館へ人々の足を呼び戻す材料のひとつになっている。
盛り上がりはオタク層や大人だけにとどまらず、「キンプリ」とも関連が深い「プリパラ」の応援上映会「劇場版プリパラ み〜んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ アイドルおうえん上映会」は、条例により18歳未満が入場できないレイトショー枠の回を設けることで、”親子連れ”と”大きなお友達”を分ける計らいが感じられる体制を導入。
また、EXILE HIRO氏が企画およびプロデュースを担当しEXILEファン・オタク双方の人気を獲得している映画「HiGH&LOW」の応援上映が9月に実施された。一般向けのニュースサイトなどで取り上げられることで、”応援上映”という言葉に馴染みのなかった一般の人にもその存在が知られるきっかけとなり、オタクとリア充の融合なるか?!と注目を集めた。
応援上映会のマナー=”一般常識” 応援上映会はコスプレOKというガイドラインが多い。「エヴァンゲリオン」シリーズでおなじみの庵野秀明氏が監督を務め話題となった「シン・ゴジラ」の「全国一斉!発声可能上映」が26館で開催されたが、新宿バルト9で10月開催される枠からは、ついに専用の更衣室まで用意され始めた。どちらかというとハロウィン的なノリでお祭り騒ぎのように思い思いのコスプレを楽しんでいる人が多く、SNSではコスプレ姿で上映に挑むゴジラファンの姿が見られた。
その一方、盛り上がりや楽しさに紛れがちなマナーや思いやりの心を忘れないようにしたい。コスプレという趣味に長年親しんできた人の中には、”コスプレで映画館へ行く”という公式ガイダンスにえっ!と驚く人も少なくないのでは?某人気アイドルアニメの一挙放送上映会では、一部の観客が過激な迷惑行為を行ったとしてその後の上演会予定が中止となる事案が発生した。盛り上がりすぎて大声を出したり常識から逸脱した行為を取ってしまう人が出るのは残念なので、マナーを大切にしてファン同士で楽しく盛り上がる空間を作っていきたい。
公にコスプレが許可されている状況の中で、様々な人がコスプレをする機会が増える。コスプレのローカルルールでは囲いきれない全体の波の中では、一般常識の視点でのマナーが大切になってくると感じる。映画館までの道中や公共の場でのコスプレは違法ではないが、公共交通機関を使用する場合は過剰な露出や危険な武器類の持ち込みは控える、トイレや通路を占領しないなど、人に危害を加えない配慮が必要だ。
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